吉田口登山道は､富士山の北麓の北口本宮冨士浅間神社を起点とし､八合目で須走口登山道と合流して富士山頂の東部へ着く登山道です。北口登山道ともよばれています。15世紀後半には多くの道者が吉田口から登拝していたことが『勝山記』<かつやまき>の記事で知ることができます。18世紀前半以降には、富士講<ふじこう>隆盛の礎を築いた食行身禄<じきぎょうみろく>によって信者の登山本道は吉田口と定めました。このため、18世紀以降には最も多くの人々によって利用されています。北口本宮冨士浅間神社の境内には吉田口登山道の登山門があり、二合目には冨士御室浅間神社の本宮が存在しました。「木山」と「焼山」との境目である「天地之境」など、この登山道の沿道には多くの信仰施設やその跡が存在します。現在では、麓から山頂まで徒歩で登ることの出来る唯一の登山道で、全区間が資産範囲に含まれています。